HVLSファン(大型シーリングファン)の効果と各メーカーの特徴をプロ目線で徹底比較
更新:2023年3月23日 公開:2019年5月31日
こんにちは!
シーリングファン専門店の店長小俣です。
多くの経営者の方たちが、危惧しているのではないでしょうか?
大切な社員が、過酷な環境で作業をしていること。
最近はインターネット通販の利用者増の影響で、今までのモノを置くだけの倉庫が、仕分けスタッフや配送スタッフの作業スペースにもなっています。
倉庫内の環境は非常に過酷です。冬の「厳しい寒さ」や「乾燥」「感染症」は多くの企業が抱える悩みです。また、夏の「こもる熱気」や「熱中症」といった職場環境の早急な改善が求められています。
そこでおすすめしたいのが「HVLSファン(大型シーリングファン)」です。
エアコンなどの空調よりも安価に導入でき、快適な環境で効率よく働いてもらえるでしょう。また「求人に応募が来ない」「すぐ離職してしまう」といった問題も改善に期待が持てるはずです。
弊社は通常、一般家庭へのシーリングファン設置工事を年間約250件行わせていただいているのですが、2018年あたりからこちらのHVLSファン(大型シーリングファン)の導入工事も企業様にご依頼頂いております。
シーリングファンのプロフェッショナルとして、ご担当者様と一緒に効率的な導入についてご案内できると思います。
目次
【プロが解説】HVLSファン(大型シーリングファン)とは?
今、次世代の気流発生装置、「HVLSファン(大型シーリングファン)」が大変注目されています。
天井が高い倉庫、工場、店舗などの空調問題を一挙に解決できる優れものです!
欧米ではかなり前から大型倉庫や工場にHVLSファンの導入が進んでおります。導入実績も世界的に見れば十数万台、もしかしたらそれ以上ではないかと予想できます。
倉庫や工場に最適!HVLSファン(大型シーリングファン)がもたらす5つの効果とは?
HVLSファンは、倉庫や工場といった広い場所での使用に最適で、冷暖房の効率アップや省エネなどさまざまな効果に期待できます。
HVLSファンの導入による主な5つの効果を紹介します。
HVLSファンは倉庫内のどこにいても風を感じる
機種やメーカーにもよりますが、大きいもので直径約7mの大きな羽根で、ゆっくり回転します。静音性に優れ、1台で約1300平米をカバーでき、室内全体に大きな気流を作れるため、倉庫内どこにいても優しい風を感じられるようになるのです。
大風量で高い省エネ効果も!
風量は、およそ扇風機50台分なのに、電気代はわずかドライヤー1台分。扇風機50台の電気代と比べると、90パーセントの省エネにつながります。
YouTubeに面白い動画があったのでぜひチェックしてみてください。
夏はエアコンの効率アップで熱中症対策
大きな気流で、空気を循環させることにより、倉庫内の温度に偏りをなくせます。つまり「倉庫内特有の温度差」を解消するための有効な解決策になるのです。
- 冷暖房の効率をあげ、電気代コストの削減
- 体感温度を5~8度下げることで、熱中症対策に
- 湿度15%程度、ダウンさせることが可能
- 保管物・機器類の湿度による影響を受けにくい
冬は暖かい空気の循環で寒さ対策
HVLSファンで天井に溜まった暖かい空気を地面に向けて流すことにより、室内温度が均一化されます。
暖かい空気は上空に滞留するため、空気を循環させることで暖房の効果アップにも期待できるのです。
冬の倉庫や工場は非常に寒く、とくに面積が広い場所だと暖房も効きにくいため、大型シーリングファンとの併用で暖房にかかる電気代の削減にもつながります。
倉庫、工場ならではの悩みも解消
室内の空気を撹拌することで、空気の淀みを軽減します。その結果、空調問題だけでなく、以下のような効果にも期待できます。
- 臭い対策
- 結露対策
- カビ・さび対策
- 鳥害対策
- 食品の衛生対策
- 湿度の高い場所の水滴対策
失敗しないHVLS(大型シーリングファン)選びのポイント4選!
導入先の倉庫や工場に大きなメリットをもたらすHVLS(大型シーリングファン)。
しかし、自社への導入を検討している場合は「どのような基準で製品を比較検討すべきか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、自社に導入するHVLS(大型シーリングファン)を検討する際に重視するべき4つのポイントをご紹介します。
シーリングファンのプロ「ファズー」が失敗しない製品選びのコツを伝授いたしますので、ぜひ参考としてご確認ください!
導入コストはどの程度かかるか
HVLS(大型シーリングファン)の導入を検討している企業にとって無視できないポイントが「導入コスト」です。
出来るだけ低コストで、品質の高い製品を導入したいと考えていることでしょう。
とはいえ、製品の具体的な価格はHPなどに掲載していないケースも多いので、見積もり前にある程度、金額の目安を知りたい場合は生産国で判断するのがおすすめです。
一般的に、HVLS(大型シーリングファン)の本体価格はアメリカ製や国産製品は高く、中国製は安い傾向があるため、ひとつの目安として参考にしてみてください。
ただしその分、品質の差も大きいためコストだけでなく、性能面でも比較するように心がけましょう。
また、構造上重要な制御部品などは国産を採用し、その他パーツを台湾製など低コストの部品で補うことで、性能とコストのバランスを保ったハイブリッドな製品も存在します。
風量や電力消費など性能は十分か
HVLS(大型シーリングファン)を選ぶ際、性能面での比較検討も重要なポイントです。とくに着目すべきポイントとして「風量」と「消費電力」を確認しましょう。
HVLS(大型シーリングファン)の大きなメリットである「省エネ効果」は各メーカーが打ち出すメリットですが、削減できる電力や電気代は性能によって大きく異なります。
したがって、消費電力や運転時間を予測し、それぞれの製品におけるランニングコストを計算、比較すべきです。
また、消費電力ばかりに目を向けるのではなく、風量も合わせて確認し、相対的なコストパフォーマンスを検討する必要があります。
工場・倉庫の面積や天井高次第では、大風量製品の方が設置台数やランニングコストを抑えられる可能性もあるため、設置場所の環境・条件からも判断するように心がけましょう。
導入までにどの程度期間がかかるか
導入までの納期もHVLS(大型シーリングファン)を比較するうえで、大きな判断基準となります。
一般的に、代理店販売が多い海外メーカーの製品は、製品の輸入や施工技術者の手配などの手順が必要となるため、導入までに時間がかかりやすいです。
導入までの納期が長くなるだけでなく、ちょっとした修理でもパーツ取り寄せが必要な場合、1か月半〜2か月程度かかってしまう可能性も。
一方、国内在庫を抱え、施工技術者を自社調達できる国内メーカーであれば比較的、短納期を実現できます。
早ければ2週間程度で納品できるメーカーもあるため「出来るだけ早く導入したい!」とご希望であれば、国内メーカーから選択すると良いでしょう。
保証期間は十分か
万一の備えとして、保証期間も重視しなければならないポイントです。
一般的にHVLS(大型シーリングファン)では、ブレードやハブといったパーツは長期保証ですが、コントローラーなど繊細な部品は保証期間が短い傾向にあります。
また、海外メーカーの製品は故障時の部品交換にも時間がかかりやすいため、注意しなければなりません。
各部位の保証期間をチェックするのはもちろん、アフターケアなどの対応も十分比較しておくと、トラブル発生時にも安心です。
代表的なHVLS(大型シーリングファン)の性能比較一覧表
「失敗しないHVLS(大型シーリングファン)選びのポイント4選」を踏まえたうえで代表的な製品の性能を比較してみましょう。
代表的な4製品の「性能比較一覧表」をご用意しましたので、自社に導入するHVLS(大型シーリングファン)選びにぜひお役立てください!
メーカー名 |
株式会社プレシード |
株式会社ロジアスジャパン |
有限会社タマツ製作所 |
ビッグアスソリューション社/米国 |
機種名 |
SD FAN A-L |
EMIAS-7MP |
NATURE FANS 2 |
PowerFoilX3.0(PP3-16) |
最大風量(㎥/min) |
14,900 |
14,900 |
13,200 |
従来型の扇風機50台分 |
直径(m) |
7.15 |
7.3 |
7.3 |
5.5 |
重量(kg) |
69 |
98 |
102 |
125 |
羽根枚数 |
5 |
6 |
6 |
8 |
騒音(db) |
38以下 |
38以下 |
39 |
55以下 |
消費電力(W) |
840 |
1200 |
1400 |
1826 |
1年間の電気代(1台/円)※ |
43,545.6 |
62,208 |
72,576 |
946,59.8 |
保証期間 |
■モーター:20年 ■ブレード:10年 ■インバーター:10年 |
■モーター:3年 ■ブレード:15年 ■インバーター:3年 |
■モーター:5年 ■ブレード:15年 ■インバーター:5年 |
■モーター:7年 ■ブレード:7年 ■インバーター:7年 |
製品ページURL |
※8時間/日×30日×18円/kWh×各メーカーの消費電力(kW)×12ヶ月で算出
上記の比較表で紹介した4製品には、最大風量はそこまで大きく変わらないものの、消費電力や保証期間に大きな差があります。中でも、もっとも省電力かつ年間の電気代も安価な製品が株式会社プレシードの「SD FAN A-L」です。
さらに、他社と比較して、モーターやインバーターなど制御部品に関する保証期間が長いのも嬉しいポイント。コストパフォーマンスを重視したい方にはおすすめ製品です!
HVLS(大型シーリングファン)メーカーの特徴やメリットを比較
「HVLSファン(大型シーリングファン)」のメーカー(取扱店)とともに、簡単な特徴もまとめました。ぜひ、ご参考にしてみてください。
もし何かわからないことがありましたら、弊社で分かる事であれば専門店としてのシーリングファンの知識とHVLSファンの工事経験からアドバイスさせていただきます。
お気軽にご相談ください!
※下記はすべてHPの情報からまとめております。企業名をクリックすると、WEBサイトで最新情報がご確認いただけます。
(A)株式会社プレシード SD FAN
特徴 |
■心臓部といわれるコントローラー部分を国内で設計・組み立てし国産化 ■ベースは台湾メーカー製品を採用しつつ、制御部品を国産化することで高品質と低コストを実現 ■コントローラー・制御部品10年、その他部品及びブレード10年、モーターは20年という業界最高水準の保証 ■万一の故障やメンテナンス、部品交換にも柔軟に対応 ■カバーエリアは7mの機種で最大2,200平米(推奨は1台当たり1,300平米) |
風量 | ■14900m3/min |
2021年の導入実績(世界全体):2100台
(B)株式会社ロジアスジャパン EMIAS FANS
特徴 | ■6枚の羽根で連続的に送風 ( 3.7mからのラインナップあり) ■騒音量は38dBA ■スーパープレミアム効率のIE4モーター使用 ■納期は2週間程度 |
風量 | ■14,900m3/min(直径7.3m) |
最大回転速度 | ■10~56rmb(直径7.3m) |
EMIAS FANS紹介動画:世界中で50,000台以上の導入実績
(C)JAROC リボリューションファン
特徴 |
■モーター、電源制御盤3年間保証 |
風量 | ■2,000m3/min |
風速 | ■20~53rmb |
リボリューションファン紹介動画:広い範囲に心地よい風を届ける
(D)Macro Air
特徴 |
■50,000稼働時間保障 |
風量 | ■163m3/s(最大直径7.31m) |
風速 | ■2~3m/秒 |
※ブレードは、NASAの空力技術で飛行機の翼を応用して設計
(E)BLADE TEC
特徴 |
■7.3mの6枚の羽根 |
風速 | ■2.86m/sec(直径7、3m) |
※物流倉庫設置例 セイリングファン
(F)SMILE FANS
特徴 |
■世界中で約2万基以上導入 |
風量 | ■13.200m3/min |
風速 | ■5.5m/s |
※スマイルファン羽根の断面図
(G)NATURE FANS
特徴 |
■中国メーカーOEMとしてオリジナルを製作 |
風量 | ■13,200m3/min(1.5Kwの電力) |
(H)BIG ASS FANS
特徴 |
■羽根の最大直径7.9m |
風量 |
■最大2,500平米 |
※ビッグアスファン世界販売累計14万台超を誇る
(I)THE FIRST FAN
特徴 |
■唯一の日本製HVLSファン |
風量 | ■10,000m3/min |
風速 | ■5.5m/s |
THE FIRST FAN紹介動画:唯一日本製の大型シーリングファン
まとめ
弊社では一般家庭のシーリングファンから、大型倉庫や工場、店舗の大型シーリングファンまでシーリングファンの専門家として商品選びから導入までをサポートさせていただいております。
シーリングファンのことでお悩み事や聞いてみたい事がございましたら、中立的な立場でアドバイスできると思いますので、何なりとご相談くださいませ。
31,500台以上の販売実績と4,000件以上の取付実績(2022年4月時点)から的確なアドバイスをさせていただきます!
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